そもそも構図ってそんなに大事なの？ていうお話です。

答えは「めちゃ大事」です。

構図については、どんなに高性能なカメラを使っていたとしても、そのカメラが手助けしてくれることはないからです。ご存じの通りスマホのカメラもどんどん進歩しているので、構図をちゃんと意識すれば一眼レフ並の写真を撮ることも可能です！

ちなみにこちらの写真は、iPhone13で撮った写真です。(3:2にトリミングはしています)



ちょっとだけ解説すると
まず、この場所を見たときに高い木々の間から抜ける夕焼けが綺麗だと思いました。(トンネル構図)
さらに、両サイドの木の幹が入らないとバランスが悪いなと思ったのと、人物を配置するときに枝や葉と被ると分かりづらくなるので、人物は少し左の位置に立ってもらいました。(三分割構図)

もちろん、この撮り方だけが正解ではありません。
もっと画角を広げたり狭くしても良かったかもしれません。

ただ、上記のような事を全く意識しなければ、煩雑な印象になってしまったかもしれません。
構図は、写真にまとまりを与えてくれます。
撮った写真がなんかイマイチと思うときは、大体構図に問題がある場合が多いです。

上記のプチ解説のところでも少し書きましたが、、
「構図って何？」と聞かれたら「バランス」と「引き算」と答えます。

【バランス】
感覚的なものなので、それぞれの正解があって良いと思います！
人の写真でも自分の写真でも、バランス悪いところないかなと(言葉悪いですが)粗探しすることがバランス感覚を養う練習になります！


【引き算】
引き算とは余計なモノを画角に入れないということです！これ簡単なようで、実は結構難しいです。
そもそも"見せたいもの・伝えたいこと"がなければ「余計なモノが何か」はっきりしないからです。
シャッターを切る前に見せたいものを決めて、それ以外は引き算することを意識します。

ここまで、構図って大事ですよ!とお伝えしておきながら恐縮ですが、プロのフォトグラファーは構図のことは考えてシャッターを切っていません。

おいおい、じゃあ構図なんて覚えなくていいじゃん!という声が聞こえてきそうですが、、

考えてないというのは、ある構図のために撮るもの(見せたいもの)を決めないという意味です。
動かすことができない背景で、どこに人物を配置するとバランスが良いか、そして余計なものを入れないためにどう切り取るかを意識した結果、基本構図などに当てはまっているという感じです。

元々そういう美的感覚が優れていたという訳ではなく、沢山撮って沢山写真を見てきたからこそ無意識でそうなっている訳です。
ただ、ベテランフォトグラファーでも撮ったけどバランス悪いなぁとか、これ写さなくて良かったなぁとか、普通にあります(笑)

みなさんも、上で述べた「バランス」と「引き算」、そして今からお伝えする「基本の４つの構図」をとにかく意識して沢山の写真に触れることで、イマイチな写真が減って確実に上達できます！

基本中の基本の構図。
写真を始めたばかりの方でもどこかで聞いたことがあるのではないでしょう。

【解説】
画面を縦横それぞれ３等分した時にできるラインの線上や交点に被写体を配置する構図です。
一眼レフカメラではもちろん、スマホでもグリッドラインを表示しておくととても便利ですよ！
三分割構図は、どんな場面でも活用しやすい万能構図です！


【カップル撮影への応用】
[左写真]それぞれ左右の線上に配置するとバランスが良いです！この写真の場合、中央に左下りの木の幹があったので背の高い彼に右側に立ってもらいました。
[右写真]右側の線上にふたりがくるように配置しています。またお顔が右上の交点あたりにくることでバランス良く見えます。左側には水辺と緑で奥行きが出るようにしています。

三分割構図より少しハードル上がりますが、考え方は一緒です！

【解説】
画面を縦横それぞれ４等分した時にできるラインの線上や交点に被写体を配置する構図です。
メインの被写体以外にも空間や背景に意味合いを持たせるときに活用できます！


【カップル撮影への応用】
[左写真]三分割構図と同様に線上に２人をそれぞれ配置した作例です。横並びでも良かったのですが、敢えて２人を前後に配置して立体感と臨場感もプラスしてみました。
[右写真]下中央の交点に２人を配置して、上部を広く空けて緑の豊かさな空間であることを切り取っています。(欲を言えば右側にもう少し緑が欲しかったですね..^^;)

【解説】
トンネルの向こう側を覗いているような構図です。
奥の被写体にピントを合わせ、手前のトンネル部分をボカして撮影することで、より奥の被写体を際立たせたいときに活用します。
また、写真に物足りなさを感じるときにも使えます！


【カップル撮影への応用】
[左写真]自然にあるものを活用してトンネル構図にすることが多いですが、ポージングの指示で"トンネルを作る"のも面白いですよ！
[右写真]絵の上部にトンネルを置くことが多いですが、こちらは横向き(右側)に応用したバージョンです！あとは四分割のライン上に２人がくることで全体のバランスが取れています。

【解説】
被写体を中央に配置するシンプルな構図です。
シンプルが故に意外と難しく、三分割や四分割構図に慣れてくると面白みを感じにくいかもしれません。
ただバチッとキマると、その写真がすごくパワーを持った１枚になることがよくあります。
特に人物撮影においては、必ずマスターすることをおすすめしたい構図です！
ファンキーモンキーベイビーズのCDジャケット写真が、わかりやすく日の丸構図が使ってあって、かつパワーを感じる写真が多いです。


【カップル撮影への応用】


[左写真]２人とも良い表情なのですが、位置関係的に彼女の方をど真ん中へ持ってくるのはバランスが悪いため、日の丸と三分割の組み合わせで全体のバランスを取っています。
[右写真]これ日の丸?って思う方も多いですよね。撮影の裏話になるのですが、この写真の前段階は彼女には顔を右手に付けてもらってたんです。撮りながら会話してたら爆笑が起こって、この写真になった訳ですが、、

ここで考えてみていただきたいことがあります。
日の丸にするために画角を変えていたらどうなったでしょうか？
日の丸構図でこの笑顔の感じが撮りたいから彼女に顔を元の位置に戻してもらって、笑ってもらったら？

前者は、たぶんバランスが悪い絵になっていたでしょうし、
後者は、こんなにも良い表情ではなかったでしょう。